金魚運動で全て解決します。保存会

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オタクは気持ち悪くならざるを得ないのか?

http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20060619/p6
http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20060620/p3
を読んで思ったこと。


俺はオタクだ。そしてオタクという言葉から世間一般になんとなく気持ち悪いという印象が持たれる現状に多少なりとも苦々しさを感じている。なかでも、明らかにオタクの定義に「気持ち悪い」を含めて話を進めようとする一部の言説には憤ることもままある。
そこへ上記の文章があらわれた。オタクと気持ち悪さの間を「倒錯」の一言で接続し、さらに性倒錯をそのサブ概念として用いることで、これまで印象にとどまっていた何となしの気持ち悪さを言語化している。同じような試みが以前からなされていたか否かは寡聞にして知らないが、上記文章で説明されるその構造は極めてシンプルだ。そして、その結論はあまりに救いの無い、オタクへの最後通告とも解釈し得るものだ。
オタクを気持ち悪いものとして定義するのではなく、オタクであることから気持ち悪さを導き出すことに、一定のレベルで成功されてしまった。これには落胆しこそすれ、憤るわけにはいかない。少なくとも俺はそう思った。


ひとつ救いを挙げるとすれば、ここで説明されるオタクの気持ち悪さは、あくまでオタク的な属性の、あるいはそれを持っているという状態の気持ち悪さだということだ。解釈としてはあくまでオタク(的な趣味嗜好)は気持ち悪い(趣味嗜好だ)、ととるべきものであって、オタク(的な趣味嗜好をもつ人間)は気持ち悪い(人間だ)、ではないということ。前者と後者とでは雲泥の差だ。
しかしそれで安心しきってよいかといえばそうでもない。印象レベルでは、前者すなわちオタク的な嗜好を持っているということだけで後者すなわち全人格的に気持ち悪いという判断へ直結してしまう人間が多いことだろう。プライベートで性的描写のある漫画を読んでいるのを見られただけで勤め先を馘になったり、女装趣味があるとばれただけで退職を余儀なくされたり。そういう事例は掘り出せばいくらでも出てくるだろう。はてなダイアリーにもそういう攻撃傾向をもつユーザがちらほらと見てとれるだろう。誰とはいわんけど。
そしてもうひとつ、実際に前者の状態が後者の状態への傾斜を加速させる因子として働くことも多い。倒錯した趣味に時間と金を使えば使うほどに、倒錯していない日常からの乖離が進み、現実社会を軽視するようになる。それが度を越せば、世間的感覚を失い、存在そのものが気持ち悪くなっていくのを押し止められなくなる。
俺はオタクだ。そして俺をオタクたらしめる趣味嗜好は倒錯的であり、それは現実社会において気持ち悪いという印象を与えるに十分だ。それは認めるに吝かでなかれども、それだけで俺自身まるごと気持ち悪い人間だなどと判断されてたまるか。だからこそ、そういう判断をされないように、また実際に人格そのものが気持ち悪くならないようにするにはどうしたらよいかを、常日頃から考えるべきなのだ。


で、それは具体的にどうすればいいのか?…という話に続いていくとまともな文章っぽくなりそうなんだけど、まじめにやるとやたら長くなりそうなんで今日はここまで。ってなにこの竜頭蛇尾っぷり。まあほら、そういうのは脱オタの人とかがもうやってるっしょ、たぶん。
ちなみに、俺のバヤイはオタク的倒錯趣味がなかったとしても、初めから人格が気持ち悪いから無駄でな。