金魚運動で全て解決します。保存会

旧はてなダイアリー id:mrnkn で公開されていた日記です。更新はされません。

中高一貫進学校のひみつ

id:okashi:20040804 にて

小学校でなまじ勉強が出来たので中学から進学校に進んだ。だがそれは賢いなんて関係なく、単に育ちが他の人より僅かに早かっただけということが誰でも分かるだろう。

という自己紹介らしき文章の一節をみつけた。これに関連してイヤな話をひとつしよう。


  • 高偏差値の中高一貫校では、新入生(中学1年)の平均身長が全国平均または都道府県平均より有意に高い。しかし高校3年の段階ではほとんど差はない。


これが何を意味するかはすぐにわかるだろう。
これを信じるか信じないかは読者各人の判断に任せる。しかし実際に受験偏差値の高い中高に在籍したことのある諸氏は校内の身体測定平均のデータをみることができたら確かめてみてほしい。そして全国あるいは都道府県の平均と比べてみてほしい。
中学受験というのは成長の個人差の影響をもろに受けるという意味できわめて不公平な代物だ。人間には二次性徴の発現と前後した成長期が12歳前後*1で訪れるが、この訪れる時期の個人差は数年単位にもなり、当事者の年齢を鑑みればその幅は非常に大きい。大学受験や高校受験の年齢では概ねこの成長期に終焉が見えており成長速度の個人差の影響はあまり現れない。しかし中学受験の行われる小学6年の冬はちょうどこの成長期の到来平均と重なる時期にある。成長期がほぼ終わってる子もいればまだ到来の兆しもみえない子もおりその個人差の影響はとても大きい。実際これくらいの年齢だと堂々とエロビデオを借りても疑われないくらい成長してる奴もいれば遊園地でジェットコースター搭乗をお断りされるくらいのガキンチョもいる。そんな彼等が同学年という区切りによって同じ舞台で競争することになるのである。ちなみに小学受験の年齢だと成長期の到来という意味での格差は少ないが純粋に年齢、すなわち誕生日による格差の影響が大きくなる(6歳児にとって最大1年の差がどれだけ大きいものか考えてみるとよい)。
このように中学受験や小学受験に臨む子供は成長過程の差という、本人の意思による努力ではどうしようもないものの影響をまともにかぶることになる。だからお子様の小学受験や中学受験を考えているご両親は受験最適化のため子供が学校暦のなかで早期に誕生するよう仕込み時期を調整したり早熟な配偶者を選んだりするとよいかもしれない。
って、まさか本気にする奴はいないよな?そんなことで子供の運命とか幸せが決まるとか本気で思ってる親なんていないよな?

*1:とりあえず男女差とか地域差とかはおいとく