自分の好きな、思い入れ深いものを他人に蹂躙されたと感じるということ
もちろん某音楽家と某ゲームの件で思ったことです。あの件はちょっとした行き違いとか単純な事実とかの連鎖が思わぬ結果につながったわけですが。
- CLANNAD という語があるバンドによる造語の固有名詞であったこと
- その語の誤った解説が流布していたこと
- その誤った解説がもとで、その語が一般名詞であるかのように(つまり、固有名詞を扱うにしては無配慮な形で)他媒体(美少女ゲームソフト)に使われたこと
- そのゲームソフトがWeb上では大元のバンドとくらべ規模の面で上回る話題を呼び、その結果そのバンドの情報を得ようとしてWebを頼ったばあいにゲームソフトの情報ばかりが出てきて、そのバンドあるいはその音楽ジャンルに思い入れのある人にとって納得しがたい結果となったこと
- そのゲームソフトが「家族愛」をテーマにした「Windows専用恋愛AVG」という、偏った先入観を持たれがちな種類のものであったこと
えーとこれくらいあげとけばいいか。まあこの件じたいについてはもういいんです。でも上述したことのひとつひとつは、この件に限らずあちらこちらで見られるわけで、これからも同様のことが起こっていらぬ場面で不幸になる人が現れないとも限らない。
とくに上の3番目の類似パターンが昨今のオタ界隈では頻繁に出現しているように思う。それは「萌え擬人化」。オタとか萌えとかと関係ない事物が勝手に擬人化され、その萌えキャラ的風貌や果ては劣情を催させるような画像が出回るというアレ。ほれ、「ビスケたん」とかのことだべ。
たとえば世の中にケンタッキーフライドチキンのビスケットに深い思い入れを持つAさん(女性・仮名・31歳独身)がいたとしよう。Aさんがビスケットについてよりマニアックな情報を得ようとして検索サイトをたずねたときに、その目の前をうめつくすものがビスケたんの方だったとしたら!たしかに頭にビスケットらしきものを載せているがその姿形はあきらかに年端もいかぬ少女でありしかもシロップっぽい謎の褐色ドロリ汁にまみれて扇情的な外見を強いられながら困り顔で何かを訴えかけようとしている、そんな絵ばかりが飛び込んでくるとしたら!*1嗚呼、あわれビスケット好きのAさん31歳独身。
ここに書いたことはたとえばなしにすぎない。いいたかったのは、自分が楽しむための行動が知らないところで他人の気持ちを蹂躙してることがあるかもしれないというだけのことだ。
何に萌えるのも自由だ。想像力あふれることは大抵において素晴らしい。それをいかように表現することだって自由だ。あとは「その自由を行使した先に傷つく者がいないだろうか、傷つく者を減らすためにあと少し何かできないだろうか」でもいいし「世界はオタだけのもんじゃねーんだよ」でもいいかもしれないけど、まーとにかくそういうことで幸せになれるなら幸せなほうがいいじゃん、不幸を生むのを止められるならその方がいいじゃんということだ。あれ俺なに書いてたんだっけ。よくわからんな。