金魚運動で全て解決します。保存会

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「時かけ鬱」より「ラブやん鬱」

こないだアニメの「時をかける少女」が地上波テレビで放映されて、それにつられてか一部で「時かけみて鬱になった」話が再燃しているらしい。俺もこのたびのテレビ放映でやっとみたのだけど、俺にとっては時かけアニメはメルヘンでありこそすれ、自分の高校生活との落差に愕然として鬱る、などということはなかった。シチュエーションにリアリティをあまり感じなかった(放課後に男友達とキャッチボールばっかしてる女子ってどないやのん?)というのもあるけど、それ以前の問題のような気もする。

「女と交流していた」「気づかなかったが、女に好かれていた」だけでリア充認定され、死ねと罵られるのだ。

http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20070726/1185469976

俺など男子高出身で、高校の3年間を通じてただの一度も同年代の女子と口を利いたことはなかった。その意味では、高校時代に同年代の異性と交流が少しでもある相手なら、俺には罵倒する大義名分が発生し得ることになる。
しかしながら、だからといって羨ましいと思ったことはそういえば、ない。ネタとして投げ遣りな発言をすることはあるし、後から思い返してみればそのことが今の境遇に悪影響を及ぼしているのも確かだ。けれどもリアルタイムベースで考えると、男子高にいた当時の生活は十分に楽しんでいたし、もし共学校に行っていたらと仮定してみても、自分がそこでどのようなポジション…というかカースト階層に収まっていたかを想像すると、共学だからといって日々に潤いが生まれていたとは到底想像できない。異性などいなくても当時の自分がそれなりに充実した生活を送れていたことが、時かけ鬱にならずに済んでいる主因かなあと思っている。


ラブやん(8) (アフタヌーンKC)それより、正直いって俺には最近の「ラブやん」の方が鬱要素が大きい。ラブやんの主人公たるカズフサはちょうど俺と同世代。ロリ・オタ・プーの三重苦などと言われるキャラだけども、じつは結構充実した日々を送ってるんだよね。とくに最新8巻ではラブやんとビミョーな関係になってみたり、隣家の幼馴染みの女が結婚を前に…みたいなエピソードがあったりして、妙なナマナマしさを感じるのだった。
何よりも、時間が進むにつれてカズフサとラブやんの会話がどんどんフツーの友人関係のそれになっていて、そこが俺の喪失感をぺしぺしと叩いてくるのですよ。ここ数年、そういう新しい友人関係がまったく築けていないなあ…ことに異性とはホンットに会話する機会すらなくなっている…と。
ラブやんという作品はあくまでギャグなんであって、そんな深刻に捉えるべき話でもないはずなんだけど、そっちの方にリアリティを感じて心の弱ってるときに沁みてきちゃうヒトもいるんですよ、というくらいの話。