金魚運動で全て解決します。保存会

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脱オタが無意味であることはノーベル賞学者の理論で証明済み

というネタを考えたくなった。
ノーベル経済学賞を受賞しているマイケル・スペンスの主な業績として挙げられるシグナリング理論というのがありまして。

このモデルでは、労働者は自らの有能さを雇用者に証明するために、取得するのにコストが必要な何らかの学位を獲得する。雇用者は、有能な労働者は学位の取得にコストが比較的低くすむ一方、無能な労働者は学位の取得に多大なコストを払わなければならないと判断するため、より高い学位を持つ労働者には高い賃金を払うことにする。このモデルは、送り手(この場合、労働者)の情報が受け手(この場合、雇用者)に伝わり、そのシグナルがコストのかかるものであるならば、必ずしもその教育自体に本源的な価値が備わっていなくとも機能する。

マイケル・スペンス - Wikipedia

もうちょっと補足。労働市場において、労働者の側は自分の能力を知っているが、雇用者は労働者の能力をデフォルトでは知らない、というのがまず前提とされる。
雇用者としてはより有能な労働者にはより高い賃金を払うようにしたい。それに対し、労働者は自分の能力をシグナル(ここでは学位)によって雇用者に示す。
もし労働者が有能であり学位の取得に要するコストが比較的低くて済むならば、そのコストを負担しても得られる学位による便益(高い賃金)がそれを上回るので、その労働者は学位を取得する。もし労働者がそこまで有能でない場合、学位の取得コストが大きくなって、学位によって得られる便益に見合わなくなるので、その労働者は学位を取得せず低い賃金での労働に甘んじる。
で、その結果実際により有能な労働者がより高い学位を持つことになる。すると、引用での雇用者の行動(賃金を学位だけで決める)は実際に合理的な行動になってしまう。このとき、学位を得るために受ける教育に意味があろうがなかろうが、学位とそれを持つ労働者の有能さに影響は与えない。


これを学位じゃなくてモテ要素に適用するとこうなる。

このモデルでは、男は自らの魅力を女に証明するために、取得するのにコストが必要な何らかのモテ要素を獲得する。女は、魅力的な男はモテ要素の取得にコストが比較的低くすむ一方、魅力的でない男はモテ要素の取得に多大なコストを払わなければならないと判断するため、より高いモテ要素を持つ男に群がることにする。このモデルは、送り手(この場合、男)の情報が受け手(この場合、女)に伝わり、そのシグナルがコストのかかるものであるならば、必ずしもそのモテ努力自体に本源的な価値が備わっていなくとも機能する。

よくいわれる「店でモテ服を手にとって見てるだけでプクスされる」「服を買いに行く顔がない」っていう意識が、正にここでいう「モテ要素の取得に多大なコストを払わなければならない」にほかならない。
つまりイケメンは大したコストをかけずにモテ要素を手に入れられるけどキモメンはそのコストが大きすぎて結果に見合わないのであきらめるのが合理的行動であり、女はそのモテ要素ですべてを判断するからけっきょくイケメンにしか靡かないということ。
ということでキモメンが脱オタなんて図るだけ無駄なんですよカクカクー!そうノーベル経済学賞学者も言ってんだよカクカクカクー!


あれですよ、ほかにも書いてない前提(市場の完全性とかね)いろいろあるからそのまんま信用しちゃダメですからね。あくまでネタですよ!(といって逃げる)
ちなみにきっかけはこの本を読んだこと。読んだっつーかまだ途中なんだけどね。そこで人的資本論シグナリング理論が出てきて、あーこれって脱オタ論者とアンチ脱オタ論者の話に似てんなーとか思っただけです。

学歴社会の法則 教育を経済学から見直す (光文社新書)

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